2011年07月02日

退職金5億?!

友人の住んでいる町で、静かに東日本大震災の被災者受入れを行
っていた。その被災者の中に、さらにひっそりと福島原発震災被災
者が暮らしている。何ひとつ悪いことをしていないのに、突然自分
の町に住めなくなった。これまで長年手入れしてきた農地は汚染さ
れ、二度と耕すこともない。懐かしい風景は無理やり思い出にされ
てしまった。親しい友人・知人たちとも離れ離れになり、気心の知
れた仲間と話すこともない。
 
 知らない土地に来て収入もなく、自動車も処分しなければならな
かった。梅雨の合間の暑さに耐えかねて、歩いて市役所に行った。
扇風機が欲しかったからだ。しかし市役所の用意した支援メニュー
の中に扇風機はなかった。だから再び長い距離を何も得られずに歩
いて帰るしかなかった。子どもと向き合うだけの毎日はつらい。誰
か大人と話したい。彼女は何ひとつ悪いことをしたわけではないの
にそんな暮らしを強いられている。

 一方、加害者である東京電力の清水社長は指揮能力すらないまま
退職する。推定5億円の退職金を得る。退職金や企業年金の減額の
可能性も、「老後の生活に直結する」からと否定した。枝野官房長
官は「東電の置かれている社会的状況をあまり理解されていないと
改めて感じた」そうだ。

 電力会社の適正報酬の仕組みでは、この退職金もまた人件費の一
部として、3%上乗せされて人々の電気料金から徴収される。清水
社長は経済産業相に窮状を訴える要望書を提出することだけは忘れ
なかった。コスト上昇約7千億円、値上げ率は16%、さらに賠償
額の一部負担でさらに4%の値上げする。電気事業法の規定に基づ
くと、「適正なコスト」と認めざるを得ないそうだ。私たち家庭の
電気料金は20%も値上げされる予定だ。

 扇風機ひとつ手に入れられない被害者と、5億円を老後の生活に
蓄える加害者。加害企業の職員にはボーナスが出るのに、被害者は
ろくに賠償すら得られない。しかも被曝の不安に怯えながら。

東電も政府も本当に被災者の方々のこと、我が身の如く真剣に思っているのか?



Posted by pippa! at 09:43│Comments(0)
 
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